ボクシングジムでトレーナーをしていると、
毎日のようにジムに通い、サンドバッグを死に物狂いで叩いて、痩せようと努力しているのに、一向に痩せない方をよく見かけます。一方で、週に1,2回程度の軽い運動なのに、みるみる痩せていくダイエット上手な方がいます。
『こんなに汗かいて必死に運動しているのにどうして痩せないの!』
そんな言葉をよく耳にしますが答えは簡単。それは『食事』が原因です。
どれだけ頑張って運動しても暴飲暴食していては、せっかくの努力も効果が薄れてしまいます。
効果的にダイエットを行うためには、『運動』と『食事制限』の両立が重要です。
『ダイエット情報が多すぎて、結局何が良いのかわからない』
『確実に効果が出るダイエットがしたいけど、どうしたらいいの?』
とお悩みの方も多いのでは?
野菜を中心に食べる!炭水化物を抜く!と思っているならちょっと待って!
痩せるための食事は、とにかくカロリーを抑えたり、食べるのを我慢することではありません。ポイントさえ押さえればお腹いっぱい食べても十分痩せられます。
痩せるための食事のポイントを知って、ダイエットを成功させましょう!
そこで今回は『ダイエットの基本~効果的に痩せられる食事制限5つのポイント~』をテーマーにして皆様にお伝えしていきたいと思います。
痩せるための食事で意識したいポイントは次の5つ。
◆食事で意識したいポイント①ダイエットの大前提『摂取カロリー<消費カロリー』
痩せるか太るかは1日の摂取カロリーとご自身の消費カロリーのバランスによって決まります。
摂取カロリーが消費カロリーより多いと消費されなかった分のカロリーが脂肪として蓄積されて太るし、その逆になれば蓄積された脂肪が燃えて痩せます。
つまり痩せるためには「摂取カロリー<消費カロリー」にすればOK!
そんなの当たり前!と思った方もいるかもしれませんが、「摂取カロリー<消費カロリー」にするというのは、ひたすら食べるのを我慢して、ひたすら運動しろ!というのではありません。
むしろ極端な食事制限はリバウンドまっしぐら!
早く痩せたいからと、野菜やスープなど低カロリーなものばかり食べたり、お米などの炭水化物を抜いたりなど、極端なカロリー制限をするのは禁物です。
カロリーを制限しすぎると、逆に痩せにくい体を作ってしまう原因になるからです。
摂取カロリーが少なすぎると、体が危機を感じ、その少ないエネルギーで生きていけるようにと省エネモードになってしまうのです。せっかく摂取カロリーを抑えても、やりすぎると消費カロリーも減って痩せにくくなってしまいます。
さらに、省エネモードになってしまうと、元の食事の戻した時にリバウンドすること間違いなしです。
だから無理な食事制限は禁物。
痩せるための食事で大切なのは、食べるものを選ぶこと。痩せるために必要な栄養素もあるので、それはしっかり摂って、太りやすいものだけを避ける。食べる量を減らさなくても、自然と摂取カロリーを抑え、痩せやすい体を作って効率よくダイエットにつながります。
◆食事で意識したいポイント② タンパク質を多く摂ろう
タンパク質は三大栄養素(タンパク質・脂質・炭水化物)の中で、一番脂肪に変わりにくい栄養素です。カロリーが同じでも、脂質や炭水化物が多い食事と、タンパク質が多い食事とでは、タンパク質が多い食事の方が太りにくいです。
タンパク質は食べても太りにくいだけでなく、痩せやすい体づくりにも役立ちます。
① タンパク質は筋肉の材料になるので、筋肉の維持・増量につながります。
② 筋肉が大きくなると、その分基礎代謝が上がります。
(基礎代謝とは、心拍や呼吸、体温維持など『生きているだけで消費されるエネルギー』のこと。座っている時や寝ている時にも常に消費されています。)
③ 基礎代謝を上げることで、運動時以外の普段の生活の中で消費されるカロリーが大きくなり痩せやすい体になります。
つまりダイエットのためには筋肉を増やして基礎代謝を上げることがポイント。その筋肉の材料になるのがタンパク質なので、痩せるためにはタンパク質をしっかり摂ることが大切というわけです。
◆食事で意識したいポイント③脂質は控えめに
脂質は三大栄養素の中で一番高カロリーです。
そのため、脂質を控えることで効率よく摂取カロリーを抑えて痩せやすくなります。
脂質を控えるといっても、食べる量を減らす必要はありません。例えばお肉を食べたい時は、脂身の少ない部位を選んだり、煮物や蒸し料理など油をあまり使わないメニューにするなど、部位やメニューを少し工夫するだけで控えることができます。
ひとくちに脂質と言っても、いろいろな種類があり、中には“良質な脂質”と呼ばれるものもあります。魚やナッツ類、アボカドなどに含まれる脂や、オリーブオイル、えごま油、アマニ油などです。これらの脂質は他の脂質と比べて太りにくく、脂肪の燃焼をサポートしたり、血液をサラサラにして代謝アップにつながるなど、痩せるために嬉しい働きもあるので、脂質を摂る時はこれらの良質な脂質を選んで摂るのがおすすめですよ。
① 良質な脂質
・魚やナッツ類
・アボカド
・オリーブオイル 等
② 避けた方がよい脂質
・菓子パン
・インスタント食品
・マーガリン 等
◆食事で意識したいポイント④炭水化物は食物繊維が多いものを選んで摂ろう
でも痩せるためには炭水化物もきちんと摂ることが大事です。炭水化物は活動のエネルギーになる栄養素なので、きちんと摂らないとエネルギーが不足してしまいます。すると代わりに筋肉を分解してエネルギーを作り出そうとするため、筋肉が減ってしまう原因に。先述の通り筋肉が多いほど痩せやすくなるので、痩せるためには炭水化物もきちんと摂って筋肉の分解を防ぐことが大切です。
炭水化物が太りやすいと言われるのは、
① 炭水化物を摂取すると血糖値が急上昇します。
② 血糖値が急上昇すると、それを下げるために「インスリン」というホルモンが大量に分泌されます。
③ インスリンは血糖値を下げるために血液中の糖を脂肪に変えてしまうのです。
炭水化物を一気に摂取すると、たくさんの糖が脂肪に変わってしまい太りやすくなるのです。
『でもそれを防いでくれるのが食物繊維。』糖の吸収を遅らせて血糖値の上昇を緩やかにしてくれので、食物繊維を一緒に摂ることで、インスリンの分泌を抑えて脂肪をつきにくくしてくれます。
食物繊維が豊富な炭水化物とは、玄米や大麦、雑穀米など。パンならライ麦パン、パスタなら全粒粉パスタなどを選ぶと食物繊維が豊富なので脂肪がつきにくくなります。
また、大豆やエンドウ豆、こんにゃくなどの食物繊維が豊富な食材を原料に使った低糖質パスタなどもあるのでおすすめです。
◆食事で意識したいポイント⑤自分に合った食事法をみつけよう
上記に挙げた方法をすべて忠実に実践すれば、ダイエット効果はかなり期待できます。
しかし、無理に今の食事を大きく変えるのは禁物です。無理をすれば人間だれでも続かないからです。
3か月、超健康的な食事法で10kgのダイエットに成功したとしましょう。でもそこで自分に問いかけてみてください。
『こんな方法を一生続けられますか?』
食事制限も運動も継続できなければ意味がありません。
長い人生の中で『ある3か月間だけ』健康的で美しい理想的な体を手に入れたとしても、それが何になるのでしょうか。
大事なのは継続すること。継続して健康的な体であり続けることが大事です。
『お米を玄米に変えるだけなら長く続けられそう』『お菓子をずっと禁止にするのは無理だけど、週に2回までなら我慢できるかも』といったように自分に出来そうな方法、続けられそうな方法から無理のない範囲でスタートすることがとても重要です。
・まとめ
痩せるための食事は「食べない」ではなく「食べるものを選ぶ」ことが大事。痩せるために必要な栄養素をしっかり摂り、太りやすい栄養素はしっかり控えるだけで自然と痩せやすい食事になります。
ポイントを押さえた食事法を無理のない範囲で実践して、理想の体を目指しましょう。